看護学概論

科目分類 学部・学科 入学年度
基礎看護学 看護学科 令和5年度生
科目コード 科目名 単位 開講時期 担当者
F-120 看護学概論 2単位 1年次 前期 山川京子、大野夏代
科目分類 基礎看護学
学部・学科 看護学科
入学年度 令和5年度生
科目コード 単位 開講時期
F-120 2単位 1年次前期
担当者 山川京子、大野夏代

ディプロマ・ポリシーとの関連性やカリキュラム上の位置付け

この科目は、看護学科のディプロマポリシーのうち「1. 保健医療介護福祉組織のチーム活動に必要なコミュニケーション能力を身につけている。」「2. 豊かな感性を持ち人間の生命と尊厳を守り、知識・技術・態度を統合して看護を実践できる。」「3. 科学的根拠に基づき臨床推論し、看護の対象に合わせて創意工夫・応用できる。」「4. 看護の使命と倫理観に基づき看護専門職として自己研鑽を継続できる。」「5. 保健医療介護福祉の課題に取り組む地域の人々と連携・協働し、地元創成に貢献する能力を身につけている。」「6. 国や民族・性別の枠を超えて多様な文化や価値観を受け入れ、国際的な健康課題を理解することができる。」に関連している。臨地実習を含む全科目の基礎となる科目であるが特に関連する科目は、基礎分野の哲学、倫理学、人間学、憲法である。すべての関連科目の授業進度を確認しながら、看護学の理論と実践の基本を予習復習して関連事項の疑問や不明な点を調べて授業に臨むこと。

科目概要

本科目では、看護の本質についてナイチンゲールの思想から学び、看護の基本的概念、看護の専門性および倫理性や独自性、看護の対象、看護の役割と機能について理解する。看護の歴史的変遷から、看護が社会とどのように関連し変化・発展したのかを学び、看護を取り巻く社会状況と保健・医療・福祉の動向について理解を深める。また、主要な看護理論について学び、看護とは何かを探求することで看護専門職としての看護観を養う。さらに、国際的な看護活動の歴史と現状を学び、国際的見地から看護を学修することで、多様な文化や価値観を持つ人々の健康課題に対する看護の役割と機能について理解を深める。
(オムニバス方式/15回)
(山川京子/10回)
看護の基本的概念、看護の歴史、看護を取り巻く社会状況、看護における法的側面等の講義を担当する。
(大野夏代/5回)
看護の対象理解、主要な看護理論、看護過程と看護技術等の講義を担当する。

学習成果

<GIO>
看護の基盤となる看護学の科学領域、看護の概念、看護理論、看護の歴史、保健・医療・
福祉提供システム、看護の対象、人間・健康・環境・看護との関係、看護過程、看護倫理
等について理解することができる。

<SBOs>
1. 看護の概念や定義、科学領域、看護教育制度、看護組織や看護基準などを概観し、看護実践と看護学について説明できる。
2. 看護の歴史的背景を理解し、現在の看護とのつながりを説明できる。
3. 看護の対象である人間を統合体ととらえる意味を説明できる。
4. 小児期から老年期に至るまでの健康上の特徴を説明できる。
5. 発達理論を理解し、小児期から老年期に至るまでの健康上の特徴を説明できる。
6. 看護実践のための理論的根拠を理解し、主な理論家とその理論を説明できる。
7. 保健、医療、福祉の概念を理解し説明できる。
8. 看護実践における法的責任および医療事故における法的責任を説明できる。
9. 看護における倫理の必要性を理解し、看護倫理に関する基礎知識を習得する。 
10. 看護過程における看護の役割と意義を理解し、看護過程の5段階を説明できる。
11. 看護における基本的援助技術を理解し、説明できる。
12. 医療サービスや看護サービスの質保証の考え方を理解し、看護のマネジメントとは何かを説明できる。
13. ナイチンゲール「看護覚え書き」を読み、テーマに沿って要約と解釈したことを発表することができる。

授業計画

1 看護への導入1~(1) 看護とは (2) 看護の定義 (3) 実践科学としての看護 (4) 専門職としての看護師 (5) 看護教育制度
2 看護への導入2~(1) 看護組織 (2) 実践のための基準 (3) 看護サービスと評価 (4) 看護職を取り巻く現況
3 看護への導入3~(1) 国際看護 (2) 災害看護
看護の歴史1~(1) 原始および古代社会と看護 (2) 中世における看護 (3) 近世における看護 (4) 近代における看護 現代の看護
4 看護の歴史2~ナイチンゲールの看護哲学:ナイチンゲールの看護哲学につながる時代考証を通して看護の普遍性を考える
5 看護の対象~(1) 看護の対象としての人間 (2) 個人、家族、コミュニティ、地域社会(3) 健康障害をもつ対象の理解 (4) ストレスと適応
6 ライフサイクルと健康~(1 )成長・発達の概念 発達理論 (2) 身体的発達と健康上の特徴(小児期、思春期・青年期、成人期、老年期)
7~8 看護実践のための理論的根拠~(1) 看護理論とは (2) 看護理論の分類 (3) 看護理論の変遷(4) さまざまな看護理論 (ナイチンゲール、ヘンダーソン、オレム、ロイ等)
9 保健、医療、福祉システム~(1) 保健、医療、福祉の概念 (2) 包括的保健医療提供システム
保健、医療、福祉サービス提供の場とチーム~(1) 保健、医療、福祉におけるケア提供の動向と課題
10 看護における法的側面~(1) 法の概念 (2) 看護と法的規則 (3) 医療事故における法的責任(4) 看護実践に影響を及ぼす法律
看護における倫理と価値~(1) 看護実践における倫理 価値 (2) 看護倫理とは (3) 道徳的ジレンマと倫理的課題
11 看護過程~(1) 看護過程とは (2) 看護実践における看護過程
看護技術~(1) 看護技術の概念 (2) 技術と技能 (3) 看護技術の展開過程(4) 看護技術の特殊性 (5) 看護技術と事故防止
12 看護ケアのマネジメント~(1)看護のマネジメントとは (2)医療サービス、看護サービスの質保証(3)医療安全への取組み (4)病院組織とリーダーシップ
13 ナイチンゲール「看護覚え書き」を読み解く
14 ナイチンゲール「看護覚え書き」を読み解く
15 ナイチンゲール「看護覚え書き」を読み解く

総時間数 30時間(講義30時間)
準備学習の内容/必要な時間 1. 毎回の講義内容について、事前に必ずテキストを読んで予習してくること。
(20分×15回=300分)
2. 講義後は、関心を持った内容を復習してさらに深く調べ、A4用紙1枚にまとめて次回講義時に持参する。(60分×15回=900分)。
3. 第4回と、13-15回の前までには、基礎科目で履修した哲学で学んだナイチンゲールの看護哲学について復習しておくこと(150分)
評価方法 筆記試験(80%)、レポート課題(20%)により評価する。
レポートは、テーマ「看護覚え書きを読んで」、5000字程度、提出期限は第3回授業の際に提示する。
試験・課題に対するフィードバックの方法 レポートに記載された疑問点は提出毎に次回の授業で解説する。
合否発表に併せ、試験と課題レポートの結果について解説する。
テキスト ナーシング・グラフィカ 基礎看護学1 看護学概論. 志自岐康子他, メディカ出版
看護覚え書 ―看護であること 看護でないこと 改訳第7版. F. ナイチンゲール, 現代社
参考文献 看護の基本となるもの. V. ヘンダーソン, 湯槇ます・小玉香津子訳, 日本看護協会出版会
その他、講義中に適宜提示する。